蜂の子を使った五平餅

五平餅をご存知でしょうか。
昔から馴染みがあるという人もいれば食べたことがないという人も多いでしょう。
中部地方の山間部に伝わる郷土料理なのですが、その五平餅に蜂の子が使用されることがあります。
どのように食すことができるのかを紹介します。

五平餅とは

五平餅は長野県や岐阜県、静岡県、愛知県などの山間部に伝わる郷土料理です。
五平餅はうるち米を使用します。
アミロースという水に溶けるデンプンが多いうるち米は、もち米よりも水分を吸いやすいのでふっくら炊きあがります。
焚きあがったうるち米を粒が残る程度に潰して、平たい竹串や割っていない割り箸につぶれた楕円形に練りつけます。
タレは季節や地域ごとに異なり、醤油や味噌のベースに砂糖、ゴマ、くるみ、エゴマなどを合わせたタレを作ります。
美味しそうな焼き目がつくまでそのまま素焼きにして完成です。
名前の由来は、一般的には神に捧げる御幣の形をしているからと言われています。
または五兵衛という人物が、ご飯をすり潰して味噌をつけて焼いて食べたのが始まりという説もあります。

蜂の子を使った五平餅

蜂の子が採取できる地域では蜂の子を使った五平餅が食されています。

作り方

五平餅の作り方とほとんど一緒です。
蜂の子はうるち米に練り込まれるわけではありません。
蜂の子は柔らかくて潰れやすいのでタレに含まれます。
味噌ベースや醤油ベースのタレの中にすり潰した蜂の子が入っているのです。
そのタレを塗って作られるのが蜂の子五平餅です。

見た目

蜂の子の形が残っていると抵抗がある人が多いと思いますが、すり潰されているので姿は見えません。
見た目も普通の五平餅と変わらないのです。
蜂の子の粒々が見えることもないので、見た目で実感するのは難しいでしょう。

甘辛いタレの味が引き立っているので同じく普通の五平餅と変わりません。
蜂の子自体に濃い味がついているわけではないので味でも実感するのは難しいところです。
しかし虫が苦手だけど蜂の子の栄養を摂取してみたいという人には向いています。
意識せずに美味しく蜂の子を食べられて体にも良いですね。

どこで食べられるのか

蜂の子の産地で郷土料理として食べられる蜂の子五平餅ですが、馴染みがない場合はなかなか食べる機会がありません。
そんな方は岐阜県恵那市で開催されるヘボ祭りへ足を運んでみて下さい。
毎年11月3日に開催されるヘボ祭りでは、立派に育てた蜂の巣を持ち寄ってその重量を競い合うという「ヘボの巣コンテスト」が開かれます。
その会場内で蜂の子五平餅である「ヘボ五平」が販売されているのです。
毎年長蛇の列ができるほど人気を集めているというヘボ五平。
ヘボ祭りでは2種類のヘボ五平があり、甘辛い味付けタイプと炭火焼の香ばしいタイプが売られています。
開催シーズンに岐阜に立ち寄られる際はぜひヘボ祭りで美味しいヘボ五平を味わってみて下さい。
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