蜂の子にアレルギーはある?

何らかのアレルギーをお持ちの場合、口にする食べ物や過ごす環境には十分な配慮が必要です。
症状が重い場合は命の危険にさらされる可能性もあります。
健康のために蜂の子を摂取する場合、アレルギーの心配はあるのでしょうか?注意したい蜂の子のアレルギーについて紹介します。

アレルギーとは?

人の体はウイルスや細菌が侵入した場合に、体内に抗体が作られて異物や外敵を撃退する免疫システムが備わっています。
しかしその免疫システムが過剰に反応してしまうのがアレルギーです。
体に無害な食べ物や花粉などの物質に対して過度に攻撃をしてしまい自分自身を傷つけます。
このとき、私たちの皮膚や粘膜などの全身の組織に分布している「マスト細胞」から、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることでアレルギー症状が起きます。
かゆみ・じんましん・粘膜の腫れ・息切れ・せき・血圧の低下・腹痛・嘔吐など様々な症状が現れます。
予防するためにはアレルギーがある物質に触らない・口にしないように気を付けることが大切です。

蜂の子で起こり得るアレルギー

蜂の子は天然の健康食品なので副作用はないと認識されています。
しかし食品なので小麦や卵のようにアレルギーがある場合もあります。
起こり得るアレルギーは以下の通りです。

蜂毒アレルギー

蜂の毒にはアレルギー反応を起こす成分が含まれるので、刺された場合はかゆみや皮膚炎、嘔吐、寒気に襲われることがあります。
蜂の中でも外敵に向かっていく習性があるスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどが蜂毒アレルギーの原因となります。
一度蜂に刺されて蜂毒アレルギーを起こした場合、次に刺されたときにアナフィラキシーショックが起きることがあります。
アナフィラキシーショックとは発症してから短時間で全身にアレルギー症状が出る反応のことです。
蜂の子も対象かというと、実は蜂の子はまだ未成熟なので蜂毒がありません。
蜂の子を摂取した場合の蜂毒アレルギー反応が出るとは科学的に立証されているわけではないのです。
しかし、蜂毒アレルギーがある人が蜂の子を食べることは安全とは言えません。
常に蜂の成虫が身近に存在していた蜂の子ですから、アナフィラキシーショックが起きる可能性は十分にあります。
蜂毒アレルギーがある場合は蜂に近づくのはもちろん、蜂の子の摂取も控えるようにしてください。

食物アレルギー

食物アレルギーがある人も要注意です。
小麦や卵、牛乳などのタンパク質がアレルゲンとなる人は蜂の子のタンパク質にも注意してください。
蜂の子にはタンパク質が豊富に含まれるので摂取しないようにしましょう。
タンパク質でも加熱すれば問題ないという人もいますが、タンパク質の種類によっても異なるので、安易に加熱した蜂の子料理を食べることも絶対に控えてください。

甲殻類アレルギー

エビやカニなどの甲殻類がアレルゲンとなり症状が出てしまう人がいます。
これは、エビやカニに含まれるタンパク質の一種であるトロポミオシンという成分が原因で発症します。
実は蜂の子にもトロポミオシンが含まれると言われています。
そのため甲殻類アレルギーがある場合は蜂の子の摂取も控えてください。

アレルギー反応が起きる可能性がある疾患

喘息

喘息の人は気道が炎症を起こして空気が通りにくく、狭くなっています。
ホコリや煙草、ストレスなどのわずかな刺激で発作が起きてしまいます。
刺激に敏感なので、喘息と同時に食物アレルギーを持っている人も少なくありません。
アレルギー体質になりやすいのです。
タンパク質の摂取でアレルギー症状や喘息の発作が起きる可能性があるので、タンパク質が豊富な蜂の子は摂取しないようにしましょう。

花粉症

花粉症はスギやヒノキなど植物の花粉がアレルゲンとなって、くしゃみや鼻水、目のかゆみ、充血などの症状が起きます。
蜂の子は花粉や蜜を食べて育つので、花粉症の人が蜂の子を食べた場合にアレルギー反応を起こす可能性があります。
日本人の約25%が花粉症だとも言われているので、蜂の子の摂取には十分気を付けましょう。

心当たりがあれば蜂の子の摂取を控える

蜂の子は良質なタンパク質が含まれますが、逆にそれがアレルギー症状の原因となり得ることが分かりました。
特に食物アレルギーは小さいお子さんが発症しやすいです。
また10年以内に蜂に刺されて何らかの症状が出た人も注意が必要です。
アレルギーを持っていなければ健康維持や栄養補給に最適な蜂の子ですが、何らかのアレルギーがある場合には辛い症状を引き起こす可能性があるので、摂取する際は心当たりがないか確認しましょう。
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