蜂の子とプロポリスの違い

蜂の子と同じように蜂の巣から作られるのが「プロポリス」です。健康や美容に効果があると評判の健康食品ですが、蜂の子とはどのような違いがあるのでしょうか?

プロポリスとは

プロポリスは、ミツバチが集めた樹液などを体液と絡めて巣に塗りつけた塊のことです。この塊を主にアルコールなどで抽出したものが、液体タイプのプロポリスです。
プロポリスを作れるのは、ミツバチの中でもセイヨウミツバチやアフリカミツバチ、アフリカナズドミツバチです。日本のミツバチではプロポリスは作り出せません。
集める樹木の違いで、大きくヨーロッパ系とブラジル系に分けられます。特にブラジル産の「グリーンプロポリス」は高品質なプロポリスとして注目を浴びています。

蜂の子とは

蜂の子は、蜂の幼虫やサナギのことです。昔から日本各地の山間部で食べられていました。ミツバチだけでなく、スズメバチ、クロススズメバチ、アシナガバチ、クロバチなどの巣から採取されます。
海外でもタイやメキシコ、ルーマニア、中国などでも古くから食べられていました。中国最古の薬物学書には蜂の子の薬効が記述されています。

蜂の子とプロポリスの違いは?

では、蜂の子とプロポリスでは、どうような違いがあるのでしょうか?

成分の違い

蜂の子は蜂の幼虫やサナギで、プロポリスはミツバチが作った塊が原材料です。見た目だけでなく成分にも少し違いがあります。

蜂の子の成分

蜂の子は、ロイヤルゼリーやハチミツ、花粉などを食べて育ちます。主な栄養成分は、100g あたり水分が76.8g、タンパク質9.4g、炭水化物8g、脂質4.7g、繊維質5gとなっています。さらに、ビタミンやミネラル、脂肪酸の他に、食べ物からしか摂取できない必須アミノ酸もバランスよく含まれています。

プロポリスの成分

プロポリスには、フラボノイドなどの抗酸化物質やビタミン、ミネラル、アミノ酸などが含まれています。特に約40種類ものフラボノイドが含まれているのが大きな特徴です。
ヨーロッパ系のプロポリスは、イチョウ由来のフラボノイドが多く含まれ、ブラジル系はアレクリンという樹木のフラボノイドが含まれています。

効能の違い

栄養成分に優れた蜂の子とプロポリスですが、実際にどのような効能があるのでしょうか?

蜂の子の効能

蜂の子は昔からシワやたるみを予防する美容効果があると言われています。
蜂の子に含まれるタンパク質は、体を作る大切な栄養素で体の組織をつくりエネルギーを生み出すことで体力を増強し、老化予防につながります。また、ビタミン類は免疫力を高める効果があります。

最近、注目を浴びているのが「難聴」や「耳鳴り」に対する効果です。難聴の原因は、「コルチゾール」というホルモンが増加することが関係していると言われています。
岐阜大学医学部付属病院の研究チームの調査では、蜂の子を摂取した患者のコルチゾール値が低下し、聴力が改善したことが報告されています。
他にも様々な効能があります。詳しくは効能一覧をご覧ください。

プロポリスの効能

プロポリスは、強い殺菌・抗菌が有名です。古代ギリシャ時代では傷や炎症の治療に使われていました。その効果をもたらす主な成分がフラボノイドなどの抗酸化物質です。
フラボノイドには抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血行を改善します。また、毛細血管を強化し、血圧や血糖値を正常に保つ働きもあります。

プロポリスに含まれるアミノ酸には新陳代謝を改善する効果があり、フラボノイドやビタミンなどと共に美容にも効果が認められています。

最近では、プロポリスの抗ウイルス作用による風邪やインフルエンザの予防の効果が期待されています。

副作用の違い

蜂の子もプロポリスも蜂に関係したものなので、蜂アレルギーのある人は副作用がでる可能性があります。使用する場合は医師に相談しましょう。

蜂の子の副作用

蜂の子は蜂アレルギー以外に、エビやカニなどの甲殻類アレルギーがある人にはオススメできません。甲殻類のアレルゲンである「トロポミオシン」というアレルギー誘発物質が含まれています。

プロポリスの副作用

プロポリスの副作用は、蜂アレルギー以外に植物アレルギーにも注意が必要です。また、プロポリスは肝機能障害を引き起こす可能性が報告されています。体調に異変を感じた場合は、医師に相談して下さい。

目的に合わせて選ぶ

蜂の子とプロポリスにはそれぞれ効果に違いがありますが、目的として大きく分けるとすれば、健康志向の人は蜂の子、美容にも効果を期待したい人はプロポリスがオススメと言えるでしょう。また、価格はプロポリスの方が高いので、手軽に健康効果を試すのなら蜂の子の方が経済的です。

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