蜂の子は焼酎にできる?

生き物を使った変わり種の焼酎といえばハブ酒やマムシ酒などがイメージされますが、蜂を漬けた焼酎も存在することをご存知でしょうか。
蜂の成虫がそのままの姿で焼酎に漬かっています。
では同じ蜂でも蜂の子を使った焼酎はあるのでしょうか?蜂の焼酎と合わせて紹介します。

蜂を使った焼酎について

蜂の子の焼酎はほとんど作られない

蜂の子は、炊き込みご飯の具材になったり佃煮やつまみとして振る舞われたりするのが一般的です。
すり潰して色々な料理に加えられることもあります。
しかし焼酎に漬け込まれることはほとんどありません。
焼酎になるのは成虫となったメスの働き蜂ばかりです。
もしかすると蜂の子の産地にある一般家庭で、蜂の子の焼酎漬けが作られているかもしれませんが、基本的には作られていないでしょう。
それには蜂の成虫しか使用できない理由があります。

成虫の焼酎しかない理由

焼酎となるのはスズメバチの成虫が多いです。
スズメバチといえば攻撃性が高く凶暴で毒も持っている危険な蜂です。
成虫が使われるのはこの毒部分に理由があります。
むやみに近づいて毒針を刺された場合はアナフィラキシーショックによって生命の危機にさらされてしまう毒ですが、口から摂取した場合は毒として機能しないと言われています。
胃壁から吸収されても問題は無く、むしろ強い生理活性を持っています。
生理活性とは生体内の生理活動に対して調節したり影響を与えたりする物質のことです。
そのため疲労回復や美肌効果などの効果が期待されています。
この毒をたっぷり焼酎の中に分泌させるために、スズメバチは生きたまま焼酎のなかに漬けられます。
焼酎内で苦しみ、毒をたくさん吐き出すと考えられているのです。
人間に危害を加えて死に至らしめることもあるというスズメバチが、逆に健康酒として貢献してくれる道を見つけたのは大発見だったのかもしれません。
蜂の子には毒が含まれません。
毒針は働き蜂のメスにのみ存在します。
これはメスの生殖気に由来しているので、まだ生殖器が形成されていない幼虫には毒針は存在していないのです。
体内にも毒はありません。
そのため、毒を持っていない蜂の子ではなく毒針を持った蜂の成虫(メス)が焼酎にされます。

蜂の焼酎付けとは

作り方

スズメバチは生きたまま捕獲します。
捕虫網で捕まえて、特大のピンセットで掴みます。
飛んでいる蜂をラケットで叩き落としたり、巣にビニール袋をかぶせて捕獲したりすることもあります。
捕獲をする際は防護服を着て行います。
そのまま弱った蜂を瓶の中へ入れて焼酎を注ぎ、蓋を閉じます。
あとは熟成させるだけです。
3年漬けた物から8年漬けた年代物まであります。

その味は当然お酒の味ですが後味が塩っぽく感じられます。
感じ方には個人差がありますが、この塩気は猟師さんによると蜂の毒成分の味だそうです。
また見た目は蜂の養分をたっぷり吸った焼酎なので濁っており褐色の場合がほとんどです。
生臭さやアルコール臭が強く、人によっては二度と飲みたくないと感じる人もいるようです。

効果

蜂の子もそうですが、蜂には栄養がたくさん詰まっているので不眠症の改善や美肌効果、抗アレルギー、自律神経を整える、神経症の改善、殺菌作用などに期待できます。
蜂の子のときから含まれるビタミンやミネラル、アミノ酸によるものでしょう。

蜂の子は焼酎以外で食べよう

今回、焼酎に関しては蜂の子は使用されませんでした。
蜂本体を食べるよりも蜂の子の方が、抵抗感がなく高い栄養を摂取することができます。
蜂の子を食べる場合は焼酎以外の、ご飯や佃煮やアレンジ料理などで楽しむようにしましょう。
高級珍味として知られているので蜂の焼酎とともに食べるのも良いかもしれませんね。
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