蜂の子と漢方薬

蜂の子は佃煮などの製品やサプリメントなどで多く見かけられますが、漢方薬としても処方されています。漢方薬では、蜂の子はどのように利用されているのでしょうか?

漢方とは

そもそも「漢方」とは何でしょうか?
漢方は、5世紀頃に中国から伝わった伝統医学である「中医学」が始まりと言われています。この中医学を日本人の体質に合わせて独自に発展したのが「漢方」です。
漢方の名前は、江戸時代に盛んになった西洋医学を「蘭方(らんぽう)」と言っていたのに対して、中国の漢の時代に伝わってきた東洋医学を「漢方」と呼んだことが由来です。

漢方薬は、漢方の考え方に基づいて、自然界にある植物や動物、鉱物などで薬効のあるもの(生薬)を複数組み合わせて作られます。

生薬としての蜂の子

蜂の子は、日本に伝わる前から中国では薬効が認められていました。
約2000年前に編纂された中国最古の薬物学書といわれる「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」に蜂の子のが生薬として紹介されています。

蜂の子は最上ランクの生薬

神農本草経では、生薬を「上品(じょうほん)上薬(じょうやく)」「中品(ちゅうほん)中薬(ちゅうやく)」「下品(げほん)下薬(げやく)」の3つのランクに分けています。

蜂の子は、最上ランクの「上品」になっています。ちなみに上品は、「生命を養うもので、体を軽くし、元気を増し、不老長寿の作用があるとされる。無毒で長期間服用できる薬」と解説されています。

生薬としての具体的な効能

神農本草経では、蜂の子の具体的な効能も記述されています。

  • 頭痛を治す
  • 衰弱している人や内臓の機能に障害を受けている人の元気を補う
  • 長期間の服用によって皮膚に光沢が出て顔色がよくなる
  • 年齢を重ねても老衰しなくなる

さらに、明の時代の「本草綱目(ほんぞうこうもく)」では、神農本草経の効能に加えて、「心腹痛」「黄疸(おうだん)」「皮膚の感染症」「風疹」「便秘」「梅毒」「婦人科疾患」なども記載されています。

蜂の子の漢方薬としての使われ方

漢方は個人の症状などに合わせて生薬を組み合わせて処方します。蜂の子は、主に「耳鳴り」などの改善に配合される場合が多いようです。

漢方薬として蜂の子が配合される場合は、他の生薬と組み合わされます。漢方では、耳鳴りやめまい、のぼせなどは「水毒(すいどく)」によりおこると考えられています。水毒とは水が体内に溜まって排泄されない状態のことです。そのため、水分の代謝を改善する「茯苓(ぶくりょう)」「蒼朮(そうじゅつ)」やのぼせやめまいを改善する「桂皮(けいひ)」などが配合されます。

蜂の子は漢方薬の原材料としても販売されています。蜂の子の粉末やフリーズドライになった生後21日目のオス蜂の子が、一般の人でも買うことが可能です。

自分用の漢方薬を

蜂の子などの生薬は、組み合わせによっては体調を崩してしまうことがあります。漢方の専門店で相談しながら自分専用の漢方薬をつくってもらうのがベストです。また、漢方を積極的に取り入れている医療機関もあります。保険が適用されれば安価で入手できますね。