蜂の子とワーファリンの飲み合わせ

血栓や塞栓ができないように医師からワーファリンを処方されている人は摂取する食べ物にも注意が必要です。
蜂の子は摂取しても大丈夫なのでしょうか。
ワーファリンの働きとともに紹介します。

ワーファリンとは

ワーファリンの働き

ワーファリンとは血液が固まるのを防ぐ抗凝固剤としての働きがある薬です。
主な病気としては、深部静脈血栓症や肺塞栓、肺梗塞、弁膜症を合併した心房細動や人工弁置換術後などにワーファリンの処方が適しています。
ワーファリンは直接血液に作用しているわけではなく、血液を固める物質の働きを阻害しているのです。
それがビタミンKです。
ビタミンKには出血したときに血を止める止血作用があるのでワーファリンと逆の働きを持っています。

ワーファリンと飲み合わせてはいけないもの

ビタミンKの働きを抑えているのに食事などでビタミンKを摂ってしまうと効果が減弱します。
ビタミンKは脂溶性ビタミンで、緑黄色野菜や海藻類、豆類、鶏肉の皮、油脂類などに多く含まれています。
特に納豆やクロレラ、青汁などは医師からの処方が制限されます。
ほかには豆腐やモロヘイヤ、しそ、よもぎ、行者にんにく、大根、わかめ、鶏皮、大豆油など様々な食品にビタミンKが多く含まれます。
これらを大量に摂取するとワーファリンの働きが弱まるので注意してください。

蜂の子とワーファリンの関係

蜂の子には様々な栄養素が含まれますが、ワーファリンの働きを阻害する成分は含まれているのでしょうか。

ビタミンKは含まれない

蜂の子にはビタミンが含まれています。
ビタミンB群とビタミンCです。
ビタミンKは含まれていません。
ビタミンB群もビタミンCもワーファリンの働きを阻害することはなく、普通の食生活で過剰になる成分でもないので、ビタミンだけで見ると問題ないように見えます。

血管への影響

ビタミンの面では問題なくとも、蜂の子にはほかにも様々な栄養素が含まれます。
その一つに必須アミノ酸の一種であるトリプトファンがあります。
これは自律神経を整えて精神を落ち着かせるセロトニンの材料となります。
蜂の子にはセロトニン生成の効率がよくなるナイアシンも含まれます。
セロトニンは脳内の神経伝達物質で、不安を感じさせるノルアドレナリンや興奮・中毒を引き起こすドーパミンの働きを抑制することで精神を落ち着かせてくれます。
さらにセロトニンは血管内にも影響して、血液の血小板に入り込みます。
血小板の中に存在するセロトニンには止血作用があり、血管が傷ついて出血した際にセロトニンが血小板から放出されることで血管の平滑筋が収縮して血が止まりやすくなります。
また蜂の子に含まれるアルギニンやナイアシンなどの栄養素は、血液の流れを促進することでワーファリンと合わせて効果が高まってしまい、怪我をした時に血が出過ぎてしまうこともあります。
こうした働きがワーファリンの作用に影響する可能性もあります。

ワーファリン服用中は注意

蜂の子にはビタミンKが含まれなくとも、血管に様々な影響をもたらす栄養素が含まれるので一概に摂取しても大丈夫とは言い切れません。
蜂の子の豊富な栄養が逆にワーファリンの作用に悪影響を与えてしまうことも考えられます。
そのためワーファリンを服用中の場合は蜂の子を摂取しても良いか医師に相談してください。
医師の判断に従って蜂の子の摂取について検討しましょう。
血栓塞栓症になる前に蜂の子を摂取して事前に病気を防ぐことも大切です。
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